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QCad ユーザー 参照 マニュアル

27. 変更

変更ツールは既存図形の編集に使います。この章ではQCadの変更ツール(図 51)全般を説明します。


図49: 変更ツールバー。

27.1. 移動/複写

CADツールバー:

メニュー:

変更 - 移動/複写

Hotkey:

mv 

コマンド:

move, copy

説明:

図形を移動または複写します。このツールは既存図形のコピーを単一または複数生成します。

手順:

  1. 移動ボタンを選択すると選択ツールが表示されます。それらを使って移動、コピーしたい図形を指定します。
  2. CADツールバー上の右矢印ボタンをクリックして次の手順に移ります。
  3. マウスまたはコマンドラインから参照ポイントを設定します。
  4. 目的点を同様に指示します。例えば選択図形を50作図単位右に移動させるには @50,0 とコマンドラインからキー入力します。
  5. 移動ダイアログ(図 52)が表示されます。図形を移動する場合は "元図形を削除"("Delete Original")、コピーなら "元図形保持"("Keep Original")を指定します。 複数コピーなら"反復複写"("Multiple")を選び、入力した回数分コピーを生成します。ここで留意する点は、元図形保持指定で9回指定すると最 終的に10個の図形 になることです。複写された図形は皆、元図形と同じ属性と画層を持つことになります。元図形のそれとは別に"カレント属性"や"カレント画層"を指定する こともできます。
  6. OK ボタンを押して図形の移動/複写を実行します。選択図形は自動的に非選択状態に戻ります。


図50: 移動オプションダイアログ。

27.2.回転

CADツールバー:

メニュー:

変更 - 回転

ホットキー:

ro

コマンド:

rotate

説明:

指示された中心点の周りを指定角度分回転します。このツールは既存図形を一つまたは複数複写します。

手順:

  1. 回転ツールを選択開始すると選択ツールが表示されます。回転したい図形を選択するために使います。
  2. CADツールバー上の右矢印ボタンをクリックして次の手順に移ります。
  3. 回転の中心位置をマウスかコマンドラインから直接座標値を入力指示します。
  4. 回転ダイアログ(図 53)が現れます。元図形を保持しない回転なら"元図形削除"("Delete Original"を、元図形保持なら、"元図形保持"を指定します。反復複写を選び下記テキスト入力欄に回数を入力すると一度に回転複写で 指定回数分、元図形回転コピーされます。'9'と入力すると、元図形保持指定では最終的に10個の図形になります。 デフォルトでは個々のコピーは元図形の属性と画層を保持します。元図形のそれとは別に"カレント属性"や"カレント画層"を指定することもできます。
  5. OK ボタンを押して図形の回転を実行します。選択図形は自動的に非選択状態に戻ります。


図51: 回転オプションダイアログ。

27.3. スケール

CADツールバー:

メニュー:

変更 - スケール

ホットキー:

sz

コマンド:

scale

説明:

指示された中心点を基準に指定倍率分、拡大/縮小します。このツールは既存図形を一つまたは複数複写します。

手順:

  1. スケールツールを選択開始すると選択ツールが表示されます。倍率を変えたい図形を選択するために使います。
  2. CADツールバー上の右矢印ボタンをクリックして次の手順に移ります。
  3. スケールの中心位置をマウスかコマンドラインから直接座標値を入力指示します。
  4. スケールダイアログ(図 54)が現れます。元図形を保持しないスケールなら"元図形削除"("Delete Original"を、元図形保持なら、"元図形保持"を指定します。反復複写を選び下記テキスト入力欄に回数を入力すると一度にスケール複写で 指定回数分、元図形スケールコピーされます。'9'と入力すると、元図形保持指定では最終的に10個の図形になります。 デフォルトでは個々のコピーは元図形の属性と画層を保持します。元図形のそれとは別に"カレント属性"や"カレント画層"を指定することもできます。


図52: スケールオプションダイアログ。

27.4. ミラー

CADツールバー:

メニュー:

変更 - ミラー

ホットキー:

mi 

コマンド:

ミラー 

説明:

指示対称軸に対し鏡面図形を作成します。このツールは既存図形を一つまたは複数複写します。

手順:

  1. ミラーツールを選択開始すると選択ツールが表示されます。ミラーしたい図形を選択するために使います。
  2. CADツールバー上の右矢印ボタンをクリックして次の手順に移ります。
  3. ミラーの対称軸の一点目をマウスかコマンドラインから直接座標値を入力指示します。
  4. 対称軸の二点目を指示。
  5. ミラーダイアログ(図 55)が現れます。元図形を保持しないミラーなら"元図形削除"("Delete Original"を、元図形保持なら、"元図形保持"を指定します。デフォルトでは個々のコピーは元図形の属性と画層を保持します。 元図形のそれとは別に"カレント属性"や"カレント画層"を指定することもできます。
  6. OK ボタンを押して図形のミラーを実行します。選択図形は自動的に非選択状態に戻ります。


図53: ミラーオプションダイアログ。

27.5. 移動回転

CADツールバー:

メニュー:

変更 - 移動回転

コマンド:

moverotate 

説明:

図形の移動、コピー回転同時に行います。このツールは既存図形を一つまたは複数複写します。

手順:

  1. 移動回転ツールを選択開始すると選択ツールが表示されます。移動回転したい図形を選択するために使います。
  2. CADツールバー上の右矢印ボタンをクリックして次の手順に移ります。
  3. オプションツールバーにある回転角度欄に入力するかコマンドラインから angle, ang or a の書式で回転角度を入力します。
  4. 参照点をマウスかコマンドラインから座標値を入力指示します。
  5. 目的点を設定します。例えば50作図単位右の位置なら @50,0 とコマンドラインから入力します。 図 56 で二つの参照点に番号が振られています。この例で回転角度は 15 °、コピー回数は 4 です。 その結果は合計 60 °の角度になります。
  6. 移動回転ダイアログ(図 59)が現れます。元図形を保持しない移動回転なら"元図形削除"("Delete Original"を、元図形保持なら、"元図形保持"を指定します。 反復複写を選び下記テキスト入力欄に回数を入力すると一度に移動回転複写で 指定回数分、元図形移動回転コピーされます。'9'と入力すると、元図形保持指定では最終的に10個の図形になります。 デフォルトでは個々のコピーは元図形の属性と画層を保持します。 元図形のそれとは別に"カレント属性"や"カレント画層"を指定することもできます。
  7. OK ボタンを押して図形の移動回転を実行します。選択図形は自動的に非選択状態に戻ります。


図54: 移動回転 参照ポイント(4.) と 目的点 (5.)。


図55: 移動回転オプションダイアログ。

27.6. 回転と逆回転 (回転 2)

CADツールバー:

メニュー:

変更 - 回転 2

コマンド:

rotate2 

説明:

図形の回転、逆回転を行います。このツールは既存図形を一つまたは複数複写します。 図形自体を回転せずに中心点の周りを回転させたい場合はこれを使います。

手順:

  1. 回転 2ツールを選択開始すると選択ツールが表示されます。回転したい図形を選択するために使います。
  2. CADツールバー上の右矢印ボタンをクリックして次の手順に移ります。
  3. 主な回転の中心点をマウスかコマンドラインから座標値を入力指示します。
  4. ここの図形を回転させる中心点を設定します。二番目の中心は一番めの中心点の周りを図形を一緒に回転します。 (図 58)。
  5. 回転 2ダイアログ(図 fig:rotate2dialog01)が表示されます。図形を移動するなら"元図形削除"("Delete Original"を、複写なら、"元図形保持"を指定します。複数の複写なら"反復複写"("Multiple Copies")で 下記テキスト入力欄に回数を入力すると一度複写で指定回数分、元図形がコピーされます。ここで留意する点は '9'と入力すると、元図形を含め最終的に10個の図形になります。 デフォルトでは個々のコピーは元図形の属性と画層を保持します。 元図形のそれとは別に"カレント属性"や"カレント画層"を指定することもできます。
  6. OK ボタンを押して図形の移動回転を実行します。選択図形は自動的に非選択状態に戻ります。


図56: 二つの回転中心点、一つは絶対座標中心点 (3.) と 相対座標中心点 (4.)。


図57: 移動回転オプションダイアログ。

27.7. 部分削除 / 延長

CADツールバー:

メニュー:

変更 - 部分削除

ホットキー:

xt 

コマンド:

trim, extend

説明:

他の図形と出会う線分、円弧を部分削除、または延長します。(図 60)。


図58: 部分削除ツールで、線分の左側は円弧に出会うまで短縮されます。

手順:

  1. 一つ以上の図形を部分削除するのに必要な範囲図形を選択します。
  2. 範囲図形まで部分削除する図形を選択します。削除の際 どちら側を部分削除するかで二通りの可能性が生じます。図 60 で線分の下部を消し 上部を残したいと考えたとします。この場合は図形の上部をクリックしなければなりません。 常に残したい図形の側を指定するする必要があります。
  3. ツールを停止させるには、マウスの右ボタンを二回、またはエスケープ・キーを二回押します。

27.8. 二つの図形を部分削除

CADツールバー:

メニュー:

変更 - 二つの図形を部分削除

ホットキー:

tm 

コマンド:

trim2 

説明:

交差する二つの線分、円弧図形を一度に部分削除または延長します。 (図 61)。


図59: では二番目の部分削除ツールを使って線分と円弧の両方が一度に一つの辺になるよう部分削除しています。

手順:

  1. 一つの辺に部分削除する最初の図形を選択します。
  2. 一つの辺に部分削除する二番目の図形を選択します。
  3. ツールを停止させるには、マウスの右ボタンを二回、またはエスケープ・キーを二回押します。

27.9. 伸長

CADツールバー:

メニュー:

変更 - 伸長

コマンド:

lengthen, trimamount

オプション ツールバー:

記述:

伸長コマンドは範囲図形なしで線分または円弧図形を指定長さで伸び縮みさせます。


図60: 伸長ツールは入力値で部分削除できます。

手順:

  1. オプションツールバーに伸長したい長さを入力します。 正の値は長く、負の値は図形を短くします。例として '5' と入力すると選択された図形は 5 作図単位だけ長くなります。
  2. 伸長/短縮したい側の部位に近い位置で図形を選択します。
  3. ツールを停止させるには、マウスの右ボタンを二回、またはエスケープ・キーを二回押します。

27.10. 面取り(C)

CADツールバー:

メニュー:

変更 - 面取り(C)

ホットキー:

CH

コマンド:

bevel, chamfer

オプション ツールバー:

説明:

輪郭の角を落とします。オプションとして角の辺は自動的に新たしい斜辺に合うよう部分削除させることができます。


図61: 部分削除指定で角落し。

手順:

  1. オプションツールバーから斜辺の形状を入力します。'距離 1' は角の二辺の交点から一番目の辺と斜辺が交わる距離。'距離 2' は同様に二番目の辺への距離を指します。
  2. 自動的に角を部分削除したければ部分削除チェックボックスをチェックします。これをチェックしないと角の両辺はそのままになります。
  3. 最初の辺を選択します。(一つの線分または円弧)。
  4. 二番目の辺を指定します。

27.11. 面取り(R)

CAD ツールバー:

メニュー:

変更 - 面取り(R)

ホットキー:

rn

コマンド:

round


オプション ツールバー:

説明:

輪郭線の角を丸めます。オプションとして角の辺は自動的に新しい形に合うよう部分削除させることができます。


Figure 62: The round tool with trimming enabled.

手順:

  1. オプション ツールバーで丸める半径を入力します。
  2. 自動的に辺図形を部分削除したければ部分削除チェックボックスをチェックします。チェックしなければ角の両辺はそのままになります。
  3. 最初の辺図形を選択します。(一つの線分または円弧)。
  4. 二番目の辺を選択します。

27.12. 分割

CAD ツールバー:

メニュー:

変更 - 分割

ホットキー:

di

コマンド:

divide

説明:

図形を二つに分割します。

手順:

  1. 分割したい図形を選択します。
  2. 分割する位置をマウスで指示します。 分割点は通常、他の図形との交点になります。 自動的に交点にスナップするよう交点スナップモードを選択します。

27.13. 伸張

CAD ツールバー:

メニュー:

変更 - 伸張

ホットキー:

ss

コマンド:

stretch

説明:

輪郭線を引き伸ばします。


Figure 63: 引き伸ばしツールは複雑な図形群を伸ばしたり、縮めたりするときに使えます。

手順:

  1. 引き伸ばす領域の最初の隅を指示します。
  2. 引き伸ばす領域の二番目の隅を指示します。
  3. マウスまたはコマンドラインから参照点の座標値を指示します。
  4. 目的点を指示します。

27.14. プロパティ

CAD ツールバー:

メニュー:

変更 - プロパティ

ホットキー:

pr

コマンド:

properties

説明:

ダイアログから図形の属性と形状を変更します。 図形要素のタイプによって重要な属性とプロパティ値を変更するための異なるダイアログが提供されます。

手順:

  1. 変更する図形をクリックします。
  2. 属性または形状値を変更
  3. OKボタンをクリック

27.15. 属性

CAD ツールバー:

メニュー:

変更 - 属性

ホットキー:

at

コマンド:

attributes

説明:

選択図形群の属性を変更します。

手順:

  1. ツールを実行すると選択ツールが表示されます。属性を変更したい図形を選択するために使います。
  2. CADツールバー上の右矢印ボタンをクリックして次の手順に移ります。
  3. 表示されたダイアログで選択図形に共通の属性項目だけを変更します。例として図形色を青に設定したとします。 選択されている全ての図形は青になりますが線幅、画層、線種はそのままです。

27.16. 図形要素の削除

CAD ツールバー:

メニュー:

変更 - 削除

ホットキー:

er

Command:

delete, erase

説明:

図形要素を削除します。

手順:

  1. ツールを実行すると選択ツールが表示されます。編集図面から削除したい図形を選択するために使います。
  2. CADツールバー上の右矢印ボタンをクリックして次の手順に移ります。 選択された図形は削除されます。

27.17. グループの分解

CAD ツールバー:

メニュー:

変更 - 分解

ホットキー:

xp, ex

コマンド:

explode

説明:

ブロック図形、ポリライン、テキスト、寸法、ハッチングを基本図形要素に変換します。 寸法は線分、矢印、テキストに分けられます。テキストは線分と円弧に分けられます。
すべて基本図形要素に分解するには全図形に二回このコマンドを実行します。

手順:

  1. ツールを実行すると選択ツールが表示されます。グループを解除したい図形を選択するために使います。
  2. CADツールバー上の右矢印ボタンをクリックして次の手順に移ります。

27.18. テクストを文字に分解

CAD ツールバー:

メニュー:

変更 - テキストを文字に分解

コマンド:

explodetext

説明:

テキスト図形を一文字単位の図形に変換します。

手順:

  1. ツールを起動すると選択ツールバーが表示されそれらを使って文字列に分解したいテキスト図形を選択します。
  2. CADツールバー上の右矢印ボタンをクリックして次の手順に移ります。

Edit Text

CAD ツールバー:

メニュー:

変更 - テキストを変更

ホットキー:

pr

コマンド:

properties

説明:

この機能はテキスト図形に対する'変更, プロパティ'と同等です。

Bring to Front / Send to Back

CAD ツールバー:


メニュー:

変更 - 前面へ移動
変更 - 背後へ移動

コマンド:

tofront
toback

説明:

図形の表示順序を変更します。図形を隠しているイメージや塗り潰し図形などを後方へ移動させ隠された図形を前方に移動するために使います。

手順:

  1. ツールを起動すると選択ツールバーが表示されそれらを使って前方/後方へ移動したい図形を選択します。
  2. CADツールバー上の右矢印ボタンをクリックして次の手順に移ります。


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