手動による個別セットアップ
ここでは、数あるコーデックパックソフトウェア(WECP, CCCP, K-Lite など)を使わず、手動で個別にソフトウェアを組み込んで行く場合の手順を紹介します。
(1) ffdshow のインストールと設定
(1-1) ffdshow by clsid のインストール
(1-2) Video for Windows の設定
(1-3) ビデオデコ−ターの設定
(1-4) DXVA ビデオデコーダーの設定
(1-5) オーディオデコーダーの設定
(2) MPC-Standalone Filters のインストール
(3) Haali Media Splitter のインストール
(4) 優先コーデックの選択(Windows7 のみ)
なお、ここで挙げているソフトウェアは、あくまで私が日常利用しているものであり、必然的にこれが StrokeStyle<T> でサポート可能な推奨構成となります。他の類似のソフトウェアもたくさんありますし、DivX のように ffdshow から置き換えられるソフトウェアもいっぱいありますが、その辺りはご了承下さい。
また、64bit 版の Windows であっても、導入するソフトウェアはすべて 32bit 版を使用するものとします。中には 64bit 版が用意されていないソフトウェアもあり、そのようなソフトウェアは他の 64bit 版ソフトウェアと連携が行えないためです。
(1) ffdshow のインストールと設定
(1-1) ffdshow by clsid のインストール
いくつかある ffdshow tryout のうち、StrokeStyle<T> では最新の clsid シリーズを推奨します。
- ffdshow tryout のダウンロードページから、「ffdshow_revXXXX_YYYYMMDD_clsid.exe」 をダウンロードします。(XXXX にはリビジョン番号(大きいほど新しい)、YYYYMMDD には年月日が入ります。)
64bit Windows であっても、"_x64"の付いた64bit版ではなく、通常版をダウンロードします。 - インストール途中の [コンポーネントの選択] 画面では、「DXVAビデオデコーダー」にチェックを入れます。他はそのままで良いです。
- インストール途中の [追加タスクの選択] 画面の設定は、そのままで良いです。
というか、それぞれの検証を全然やってないので、タスクを変更されても保証はできません。
(1-2) Video for Windows の設定
- [スタートボタン] → [すべてのプログラム] → [ffdshow] → [VFWの設定] を起動します。
- 「Decoder」タブを選択します。
- ウィンドウ左側のリストの一番上、「コーデック」をクリックします。
- 右側のリスト領域のどこかで右クリックし、「安定な形式をすべて libavcodec に設定する」を選択します。
- [OK] ボタンを押下し、ウィンドウを閉じます。
(1-3) ビデオデコ−ターの設定
- [スタートボタン] → [すべてのプログラム] → [ffdshow] → [ビデオデコーダーの設定] を起動します。
- ウィンドウ左側のリストの一番上、「コーデック」をクリックします。
- 右側のリスト領域のどこかで右クリックし、「安定な形式をすべて libavcodec に設定する」を選択します。
- ウィンドウ左側のリストの下のほう、「出力」をクリックします。
- [サポートされた出力色空間] グループの中にある「RGB32」にチェックが入っていることを確認し、「優先的に使用する色空間」を「RGB32」に変更して下さい。
- [OK] ボタンでウィンドウを閉じます。
(1-4) DXVA ビデオデコーダーの設定
- [スタートボタン] → [すべてのプログラム] → [ffdshow] → [DXVA ビデオデコーダーの設定] を起動します。
- ウィンドウ左側のリストの中段、「ハードウェアアクセラレーション」をクリックします。
- [DXVAを有効にする] グループについて、DXVA を有効にしたい種別にチェックを入れます。基本的に全部にチェックを入れることをお勧めします。なお、StrokeStyle<T> ではポストプロセッシングは使っていません。
- [OK] ボタンでウィンドウを閉じます。
(1-5) オーディオデコーダーの設定
- [スタートボタン] → [すべてのプログラム] → [ffdshow] → [オーディオデコーダーの設定] を起動します。
- ウィンドウ左側のリストの一番上、「コーデック」をクリックします。
- 右側のリスト領域のどこかで右クリックし、「安定な形式をすべて libavcodec に設定する」を選択します。
- [OK] ボタンでウィンドウを閉じます。
(2) MPC-Standalone Filters のインストール
MPC-Standalone Filters は、MPC Home Chinema という製品から DirectShow 用のフィルタだけを取り出したパッケージです。ここでは、この中から「FLVSplitter」だけをインストールします。(.flv ファイルを DirectShow で利用可能にするスプリッターフィルタです。)
- MPC Home Chinema プロジェクトの Standalone Filters ページから、最新の 「Filters vM.N.R.B _ Win32」 フォルダをクリックします。(M.N.R.B はバージョン番号です。)
(※ OS が 64bit 版 Windows であっても、32bit 版をダウンロードします。) - 「MPC-Standalone Filters.M.N.R.B.x86.zip」をダウンロードします。(M.N.R.B はバージョン番号です。)
- zip を解凍し、中にある「FLVSplitter.ax」ファイルを、以下のフォルダにコピーまたは移動します。
- Windows XP, 7 (32bit) の場合 … C:\WINDOWS\System32\
- Windows 7 (64bit) の場合 … C:\Windows\SysWOW64\
- コマンドプロンプトを起動します。
Windows7 の場合は、管理者権限で起動します。([スタートボタン] → [すべてのプログラム] → [アクセサリ] → [コマンド プロンプト] を右クリックし、[管理者として実行] を選択する。) - コマンド 「regsvr32 <先ほどコピーしたフォルダ>\FLVSplitter.ax」 を実行します。以下のようなウィンドウが表示されれば OK です。
- [OK] ボタンを押下してウィンドウを閉じ、コマンドプロンプトを終了します。
(3) Haali Media Splitter のインストール
Haali Media Splitter は、.mp4/.mkv/.ogg/.ogm/.ts/.m2t/.m2ts ファイルを DirectShow で利用可能にするスプリッターフィルタです。現在は「MatroskaSplitter」という名称になっています。
- Haali Media Splitter のページ から、「MatroskaSplitter」をダウンロードします。
(ページの右上の方に「Download」欄があります。) - MatroskaSplitter をインストールします。途中に出てくるオプション画面(以下)の変更は不要です。
- Windows には標準で AVIスプリッターが搭載されているので、「Enable AVI Support」のチェックは不要です。
- 「Enable MPEG-PS support」は……、アナログTVのキャプチャ動画などを DirectShow で再生したりする場合には有用でしょうが、StrokeStyle<T> ではおそらく必要ないでしょう。よってチェックは不要です。
- 拡張子が .mkv と .mka のファイルを勝手に Windows Media Player に割り当てられると迷惑だという人は、「Associate .mkv and .mka files with Windows Media Player」のチェックを外して下さい。
(4) 優先コーデックの選択(Windows7 のみ)
※ Windows XP の人は、この作業は不要です。
Windows7 では、ffdshow をインストールすれば DirectShow が必ず ffdshow を使ってくれるとは限りません。例えば、H.264 コーデックには、ffdshow 版と Microsoft 版の2つが存在することになる場合があります。そして、Windows7 の初期状態では、常に Microsoft 版を優先して使用するように「設定」されています。このままでは、せっかく ffdshow を入れたのに DirectShow はそれを使ってくれません。
この競合するコーデックの「優先設定」を行うには、「Win7DSFilterTweaker」というツールを使用します。
※ 必ず最新版を使用して下さい。
- Win7DSFilterTweaker をダウンロードします。
<http://www.codecguide.com/windows7_preferred_filter_tweaker.htm> - Win7DSFilterTweaker を起動すると、メニュー画面が表示されます。
- 「Preferred decoders」ボタンを押下すると、どのフォーマットにどのコーデックを優先して割り当てるかを設定できる画面が表示されます。
私の PC は 64bit 版 Windows7 なので、上の図では 64bit 版コーデックについても表示されています。ご覧の通り、64bit 版コーデック側には最初から入っている Microsoft コーデック以外は存在していません。なので、設定するのは 32bit 側になります。 - ffdshow が使えるフォーマットについて、すべて ffdshow を選択して下さい。
ただし、「MP2」と「MP3」は変更しないで下さい。(「Microsoft」以外のものに変更しようとすると警告が出ます。)
また、「ffdshow (DXVA)」が選択できる場合は、そちらを優先して選択して下さい。 - 「Apply」(適用する)または「Apply & Close」(適用して閉じる)ボタンを押下し、メニュー画面に戻ります。
普通に Enter キーを押したりすると、Apply されずに Close されてしまいますのでご注意下さい。 - メニュー画面で「EXIT」ボタンを押下し、Win7DSFilterTweaker を終了します。
注意:
- Apply したにも関わらず、再び Win7DSFilterTweaker を開くと設定が元に戻されている場合があります。原因はよく分かっていないのですが、この場合は、ffdshow をアンインストールし、再びインストールすると治るようです。